コンテンツ

ホーム

サイト紹介

はれのくに

の旅

遍路歩き旅

海外旅行

伝統こけし

マイブログ

三国山脈超え

 

群馬と新潟の県境に連なる山脈が三国山脈で、信濃川の支流である魚野川や、広大な関東平野を潤す利根川の源流域を有し、中央分水嶺をなしている。

そこには谷川岳、三国山、白砂山など2000m前後の山々が連なり、急峻な山岳と上流域の流れは、上越線や上越道を行く車窓を十分に楽しませてくれる。

 

5020101.JPG

5020102.JPG

5020103.JPG

 

上越線の上り・下り線それに上越新幹線を合わせると、今日鉄路は三本の長大なトンネルで国境の三国山脈を抜けて行く。

さらに関越自動車道には関越トンネルが、上越国境を超える国道17号線には三国峠に三国トンネルが貫いていて、今では鉄道も自動車も、難なく国境の難所を越えて行く。

 

 上越線が開通する以前は、太平洋側と日本海側を結ぶ鉄道路線は、高崎から軽井沢を通る信越本線や、郡山から新潟方面に向かう磐越西線が主なルートで有った。

 

5020104.JPG

5020105.JPG

5020106.JPG

 

当時から、東京から新潟方面に向かうには現在の上越線のルートが最短で有ることは既に知られていた。

しかし、ここは名うての厳しい山岳地帯で、トンネルを掘るにしても列車が上れる緩い勾配にすれば、その長さは20キロ以上にもなってしまう。

このことから、当時の技術ではとてもこの山脈を貫くトンネルの工事は無理で、結果的にこの国境は超えられないものとされていた。

 

5020107.JPG

5020108.JPG

5020109.JPG

 

 ところが我が国の知恵と技術は、その困難を見事に克服してしまったのだ。

そのことは、鉄道時刻表の「さくいん地図」を見てみると良く解る。

 


 

ループ線

 

 急峻な山岳地帯を長大なトンネルを掘って抜けると言う発想を変え、トンネルとループ線と言う組み合わせでこの三国山脈を越えることに成功した。

 

上越線の下り列車は、湯檜曽駅を出るとループ線で上りの勾配を稼ぎ、土合の駅を経て清水トンネルで国境を超え、土樽から再びループ線で坂を下り越後中里に至るのだ。

 

5020201.JPG

5020202.JPG

5020203.JPG

 

 湯檜曽辺りの国道からは、先ほど乗ってきた、上越線のループ線を目の当たりにすることが出来る。

道路と並走する線路は、正面の山肌に掘られたトンネルに入り込んでいて、その入り口の上を見ると、丁度直角に交わるようにトンネルを出た線路が、新潟県境に向け登って行くのが見える。

 

列車に乗っているとほとんどがトンネルの中でループするので、実感に乏しいが、こうして目の当たりにしてみると、なんだかジオラマを見ているようで楽しくなる。

 

5020204.JPG

5020205.JPG

5020206.JPG

 

 ここから利根川の支流湯檜曽川に沿って、さらに上流を目指すと土合駅がある。

谷川岳に向かう登山客の多くが利用する駅で、上り線と下り線のホームが全くかけ離れたところにある珍しい駅として知られていて、それが目的の観光客も時に来るらしい。

 

5020207.JPG

5020208.JPG

5020209.JPG

 

 上り線は従来の地上駅であるが、下り線は新しくできたトンネルの中にある。

時刻表にも「改札から下りホームまで約10分かかります」と書かれているほどで、500段ほどの階段があり、登山客にはそれが、ウオーミングアップとしては丁度良いらしい。

 

 

国境のトンネル

 

『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止った』川端康成の有名な小説「雪国」の書き出しである。

 

この国境の長いトンネルとは、上越線の上越国境にある清水トンネル(9.7Km)の事で、小説の発表される4年前の昭和6年に直流電化で完成した。

 

5020301.JPG

5020312.JPG

5020308.JPG

 

 水上から越後湯沢に至る三十数キロの間は、上越線のハイライトと言っても良い山岳区間である。

両側に高く荒々しい山々が迫り、深い谷が切り込まれた厳しい地勢の中、こんな山岳区間の緩和と複線化にあたり、13.5キロの新清水トンネルが完成し、その途中にモグラ駅と呼ばれる土合駅が作られると、新線は下り用、従来の路線は上り用となり、上り線と下り線は完全に分離された。

 

5020303.JPG

5020302.JPG

5020304.JPG

 

川端康成が執筆した当時のトンネルは下り線であるが、現在では上り専用線に成っている。

従って、清水トンネルを抜けた汽車が、土樽信号所に停車し、乗っていた主人公が目にしたのが雪国であったが、今ではそんな情景を目にすることはもう叶わない。

 

 またこの区間は当時から電気機関車が牽引していたから、それでは情景として余りにも味気なく、あえて汽車と書かれた、のかどうかは知らないが、雪の信号所には蒸気機関車の方が相応しいように思う。

 

5020305.JPG

5020307.JPG

5020306.JPG

 

5020309.JPG

5020310.JPG

5020311.JPG

 

(この項、写真:大井川鉄道)

 

 

谷川岳

 

 群馬と新潟の県境にドッカと構えるのが三国山脈で、その山脈を構成する山の一つが、日本百名山のひとつに数えられている谷川岳である。

岩場は日本三大岩場の一つと言われ、山麓一帯はスキー場として、それぞれが“メッカ”と呼ばれるほどの人気の山で、これまでにも沢山の人々を魅了している。

 

5020401.JPG

5020402.JPG

5020403.JPG

 

 しかしその一方、この山は「魔の山」とも呼ばれ恐れられてもいる。

頂部を成す二つの峰の標高は2000メートルにはやや足りなく、それほどの高山ではない。

しかし、急峻な岸壁と複雑な地勢、何よりも天候が特徴的らしく、それだけに確実な装備と、より慎重さと高度な技量が求められる山だとも言われている。

 

5020404.JPG

5020405.JPG

5020406.JPG

 

日本海と太平洋の気流の衝突地帯で、日照時間が短く、夏は降水量が多く、冬は厳しい寒さと多雪で、気象条件が厳しく、天候の変わり易さから遭難が後を絶たないと言う。

そこにはギネスに登録されるほどの遭難者が命を失っていると言う現実があり、そのことが何とも痛ましい。

 

5020407.JPG

5020408.JPG

5020409.JPG

 

谷川岳登山の起点となるロープウエーの山麓駅までは、JRの土合駅から徒歩なら20分ほどだ。

水上駅前から出るバスなら途中湯檜曽、土合を経て20分ほどである。

ここからロープウエーで天神平駅へ、更にペアリフトを乗り継げば、1502mの天神峠まで気軽に行くことが出来る。

 

 

谷川岳ロープウエー

 

 谷川岳登山の起点になるロープウエー乗り場のあるベースプラザは、7階建ての巨大な建物で、1階から5階までが立体駐車場になっている。

ここにはレストランや売店、休憩施設なども備わっている。

 

5020501.JPG

5020502.JPG

5020503.JPG

 

ロープウエー6階のカウンターで乗車券を購入し、7階の乗り場に向かうのだが、この廊下(スロープ)は、冬場の登山客やスキー客の混雑を吸収するためのものであろうか、曲りくねっていて、とてつもなく長い。

そんな客への配慮なのか、乗車待ちの乗客を飽きさせ工夫なのか、壁には四季折々の谷川岳を映した写真が沢山掲げられている。

 

5020504.JPG

5020505.JPG

5020506.JPG

 

 平成17年にリニューアルされたと言う「フニテル」は、1台の定員が22名で、ふもとの土合口駅(標高746m)と、その標高が1319mの地にある天神平駅の間2300mを、僅か10分で登ってしまう。

 

5020507.JPG

5020508.JPG

5020509.JPG

 

登るほどに高度があがり、周りに美しい山々の展望が開け、眼下の深い谷には時々糸を引いたように登山道が見え、しばしの空中散歩は、スリル溢れるもので乗客を飽きさせない。

途中、点検用のゴンドラとも遭遇、これは新幹線のドクターイエローに出会ったようなもので珍しいことかもしれない。

 

5020510.JPG

5020511.JPG

5020512.JPG

 

天神平駅を出ると左手に高倉山(1449m)が見える。

右手には観光リフトが延び、その先が1502mの天神峠だ。そこまでは、ペアリフトに乗れば7分ほどだ。

この二つのピークの間に広がるのが天神平で、そこは広々とした緑の絨毯を敷き詰めたようなところで、広大なスキー場のゲレンデに成っている。

 

5020513.JPG

5020514.JPG

5020515.JPG

 

 

天神峠の眺望

 

天神峠から広がる眺望は素晴らしい。

目の前に高倉山の緑の斜面が広がり、遥か尾瀬方面には朝日岳、白毛門、至仏山の稜線を望み、目を転じると武尊山や赤城山の山並みが連なっている。

 

5020601.JPG

5020602.JPG

5020603.JPG

 

峠から谷川岳の山頂までの道のりは約3キロ、上れば2時間半ほどらしい。

残念ながらその双耳峰と言われる二つの頂部は、重く圧し掛かるようなベールに隠れ見ることが出来ない。

峠から延びる天神尾根道が雲の中に消えている。

空には多少薄らと霞が掛かり、やや視界が妨げられているとは言え、360度の眺望は見事だ。

 

5020604.JPG

5020605.JPG

5020606.JPG

 

麓からロープウエーを使えば、軽装備でも誰もが簡単に行けることも気軽な登山者を増やし、そのことが多発する遭難に繋がっているのかもしれない。

しかし、僅か20分足らずで1500メートル付近まで登れ、谷川岳の双耳峰や、周囲を取り巻く山々の眺望、平原の緑、高山植物などが楽しめるのは、何と言っても魅力的である。

 

5020607.JPG

5020608.JPG

5020609.JPG

 

 この日下界は30度を超える猛暑なのに、ここには気温21.5度の天然のクーラーが効いた別世界が広がっている。

冬になると一面の銀世界に、カラフルなウエアを纏った人々の歓声が溢れる草原は、この時期は高山植物の天国で、クルマユリ、シモツケソウ、オオバキボウシやニッコウキスゲが咲いていた。

 

5020610.JPG

5020611.JPG

5020612.JPG

 



 

| ホーム | 国内の旅行 | このページの先頭 |

 

(c)2010 Sudare-M, All Rights Reserved.

 

inserted by FC2 system