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温泉宿坊の有る安楽寺

 

地道は車と一緒の歩道に比べると、ほっとするひと時だ。標識も整備されているので迷うことは無い。

足の痛みも無いからまだまだ元気だ。6番・安楽寺までは、右に徳島自動車道を見る淡々とした道が5キロ以上も続く。

すぐ横を軽快なスピードで行き交う車を横目に、ただひたすら歩く。春とは言え日差しは結構強い、歩き続けると額にはうっすらと汗が滲む。次第に会話も減り、杖を突くコツコツと言う音だけが歩道に響く。

 

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 6番札所・安楽寺は、その山号を温泉山と言う。

名の通り現在でも寺の境内では温泉が湧き出ていると言い、宿泊の出来る宿坊ではその温泉も楽しめるらしい。

竜宮の門のような山門が面白い。境内の庭園には立派な錦鯉が泳いでいる。温泉で飼われているのかと思ったが、真意のほどは良く解らない。

 

 

7番・十楽寺

 

 先ほどお参りした安楽寺の山門とよく似た山門が面白く、その名も竜宮門と言うらしい。7番札所十楽寺である。

門をくぐると正面に赤い前掛け姿の水子地蔵が祀られていて、その横の階段を上った先に本堂が建っている。

古くから眼の病に霊験があらたかとされていて、治療に悩む信者の参拝が多いのだそうだ。

 

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 打ち終えて、8番札所に向かう途中で一台の車がハザードランプを点け路肩に寄り、停止した。

車の窓が開き、こちらに何か話しかけているが、すぐ横を走り抜ける車の音にかき消されよく聞き取れない。

近づくと、「納め札下さい!」窓から顔を出した少年が話しかけてきた。最初は何の事か解らず、一瞬ポカーンとしたが、すぐに気づき「これですか?」と一枚の白い札を差し出した。

 

「ありがとうございます」白い納め札を手にした少年の顔が笑顔に綻んだ。

運転する父親、同乗する助手席の母親も丁寧な会釈を返し、車を発進させていった。車はすぐに遠ざかり、視界から消えていった。

 

 

初めてのお接待

 

遍路道で「お接待」と言われる無償で飲食物などの提供を受けることが有るらしい。

8番札所・熊谷寺へ向う途中の道で、「四国霊場巡拝のお遍路さんにお接待します お立ち寄り下さい」と書かれた看板を見つけた。

 

一旦はその前を通り過ぎたが、これが「お接待」かと思い初めての遭遇に、恐る恐る戸を開け訪ねてみた。

人懐こい年老いたご婦人が笑顔で迎い入れ、椅子を勧めながら早々とお茶を入れてくれる。

熱いお茶を啜り、お菓子を勧められるままに頬張り、これから8番に向うこと今日は10番まで廻ることなど、しばし話に花が咲く。

今晩の宿を告げると、それはうちの子が営む宿だと言う。不思議な巡り合わせ、これも何かの縁なのか?

 

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このように、全くの見返を求めない行為がお四国のお接待の特徴であり、魅力の一つだと言われている。

遍路の道中にこう言った場所は結構有るらしい。中には歩き遍路に対して宿泊場所を提供したり、お金を渡したりするお接待も有るとか聞いた。このようなお接待は「断ってはならない」とされ、お礼に納め札を差し出すのが良いとされる。

 

納め札は遍路の回数により色が変わるらしい。

1回〜4回は白、5〜7回までが緑、以後、8〜24回までは赤、2549回までは銀、5099回までは金となる。

さらに百回を越えると錦の札となる。

初回の我々は当然白い納め札を買い求めていた。住まいと名前、年齢と参拝日、願意を書いて各寺の納経箱に納める慣わしだ。

 

 

8番・熊谷寺

 

 四国霊場の中でも最大級と言われる仁王門は、徳島県の有形文化財に指定されていて、間口がおよそ9m、高さは12m余りあると言う江戸時代に建立された堂々たる門である。

ここでは境内のいたるところからこの寺のシンボルのような、江戸時代に建立されたと言う多宝塔を望むことが出来る。

 

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8番・熊谷寺で予定していたお昼で有ったが、生憎の日曜日とあって目当ての店はお休みだ。

このまま空腹を抱え、次の札所に向うより仕方ない。法輪寺までは2.5キロ、田園地帯を行く平坦な道であるから救われる。

 

 

夫婦遍路、無念のリタイア

 

途中食べ物屋を見付けられないまま、ただひたすら歩き続けると、やがて前方の田圃の中に9番・法輪寺の大屋根が見えてきた。

近づくと山門前に時代劇のセットのような素朴な茶店がポッンと一軒有った。

食いそびれてしまった昼食にようやくありつけそうだ。早速店に入り、名物たらいうどんを注文する。

 

店内で関東方面から来たと言う夫婦連れの遍路と知り合った。今回は、阿波23ケ寺を目指しての歩き遍路だと言う。

区切り打ちにも色々な区切りが有るらしく、一週間単位とか一国(県)単位で廻るなど様々だ。これといった決まりがあるわけでは無いらしいから、その人の都合に合わせ決めれば良いと言う。

 

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23番までとなれば十日から二週間程の日程か。見れば大層な荷物だ。

「大変な荷物ですね」「これでも少し送り返し、減らしたンです」夫婦の背負うザックは、はち切れそうな位に膨らんでいる。

これ以外にしっかりと膨らんだ手提げ袋もあり、さらに金剛杖を持てば両手は塞がる。このスタイルで歩くのは大変だろう事は想像に難くない。うどんを食べ終わった頃、夫が無念そうに声を絞り出した。

 

 

9番・法輪寺

 

「実は・・・妻が足を痛めてしまって、重い荷物が堪えたようで、これ以上歩けそうに無いので・・」夫が話す傍らで妻が顔をしかめながら痛そうに足を擦っている。

遍路に備え、毎日夫婦で近所を歩いてトレーニングを十分に重ね、歩くことに自信も付いたので遍路に出たらしい。

 

「一晩泊って、明日帰ろうかと・・・」口惜しそうに夫が話した。

今晩の宿が決まっていないと言う夫婦に、我々の泊る宿を紹介し、再会を約し参拝に向う。

 

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考えてみれば、いかに事前にトレーニングを積んできたとはいえ、実際に遍路道を歩くとなると、思い荷物を背負い、全てが平坦で歩きやすい道ばかりを歩くとは限らない。

空身で平坦なアスファルト道を歩くトレーニングとは自ずと訳が違い、当然足腰にかかる負担は計り知れない、そんなところに誤算があったのかもしれないが、早々にリタイアする無念は想像に余りある。

 

 

山の中腹の切幡寺

 

この日の最後の札所までは3.8キロ程の道のりで、最後に切幡山の中腹、155m地点までの山登りが待っている。

道は市街地を逸れ、山に向うとまだできて間のないようなきれいな山門が見えてくる。

ここから本堂まではおよそ800m、女厄坂や男厄坂など333段の石段があり、歩き疲れたどり着いた参拝者を苦しめる。

 

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 国宝に指定された大塔辺りが一際の高所になっていて、ここからは目の前に雄大な四国山脈を望み、眼下に吉野川のゆったりとした流れを見ることが出来る。

この雄大な眺めは、ここまで頑張って歩いて来た遍路へのご褒美のようなものだ。

 

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まずは小手調べ

 

ここまで歩いてきて、お接待が当たり前の事として振舞われることに大きな驚きを感じてしまう半面、これから先、どんなお接待にめぐり合うことが出来るのか、チョッピリ楽しみでも有る。

お接待と言い、納め札の少年と言い、どうやらお四国では、歩き遍路は特別な存在らしい。

 

宿で夜遅く時刻表を調べる夫と再び会った。

「荷物を纏めていたら気持ちの整理が付いた。もう一度来たい」とサバサバと言った。明日帰る決意が付いたようだ。

我々も明日は帰る。第一回目と有って余り無理な日程を組むわけにはいかず、先ずは、身の丈に合った距離を歩いて様子見だ。

明日は、近くのバス停まで数キロを歩き、徳島に出て、昼ごろには帰途に着く。

後はJRに乗って一気に帰れば今回の「小手調べ」、二泊三日の歩き遍路の旅は終わる。

 

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