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物見峠越え

 

因美線は25パーミルの上りを重ね、国境のトンネルを目指す。

当時因美線は、因美南線と因美北線として建設が進められていて、最後に残ったのがこのトンネル区間であった。

幸いなことにこの辺りの地質の大部分が固い花崗岩であったことから、トンネル工事は順調に進み昭和7年に開通し、これにより因美線が全通した。

 

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物見トンネル(3077m)は因美線では最長のトンネルで、その中でも20パーミルと言う勾配を登りながら抜けていく。

それは岡山県の北部に聳え立つ那岐山(標高1240m)を貫く、美作の国と因幡の国の国境である。

周辺は杉やヒノキの植林が美しいところで、車窓からも源流に近い川の流れと共に、そんな美林を望むことが出来る。

 

県境の地は雪深いところだ。

鉄道と並行する県道6号線は昔から有った獣道が明治の初めころ開削され、その後拡幅改修が重ねられ全線舗装されたとは言え、厳しい勾配と九十九折の続く道で、途中にトンネルを抜けることもなく標高630mの物見峠を越えて鳥取県に向かう。

 

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そのためこの道路は積雪期には通行止めになることも多いと言う。

そんな峠には高さ2mほどの「県界標」と書かれた石柱が立てられている。

道路に比べると鉄道は、トンネルで峠を越えることもあり、雪による不通と言うことはまず考えられない。

それはラッセル車の活躍の賜物で、これを支えたのが美作河井駅に残されている転車台と言うことになる。

 

 

那岐駅

 

そんな難所の苦労を偲びながらトンネルを抜けるとそこはもう因幡の国・鳥取県で、最初の駅が那岐駅だ。

駅の南には、県境に位置する那岐山(標高1255m)が聳えている。

駅は山裾の傾斜地に造られた、昭和7年の鉄道開業当時の姿を留める懐かしい雰囲気である。

駅舎の脇には、駅員が常駐していたころの風呂場の建物が残されている。

駅に通じる道路も、駅前の広場も随分と広々としているが、バスやタクシーどころか駅の利用客の姿さえ見かけることがない、そんな山里に静かに佇む駅である。

 

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人気のない広場の先にポッンと建つ駅舎は、下見板張りの木造構造で、屋根に葺かれた赤い瓦がひときわ目立って存在感を示しているが完全な無人駅である。駅舎の建物は因美線各駅の建屋とよく似た造りとなっている。

ここは因美線でも名うての豪雪地帯らしく、木製の改札を抜けると、雪囲いの屋根・壁が設けられた急な階段がホームに向って延びていて、その両側には古い写真が貼られている。

 

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 現在では一面一線のホームが相対した構造(二面二線構造)で、列車の交換が可能な駅である。

上り線と下り線のホームはローカル線にしては結構長く、少しずれた位置にあるのは、かつては長大編成の列車がここでタブレット交換をした名残である。

構内には、津山方面から入る引き込み線の跡も残されている。

 

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 無人化された駅には、その後那岐町の診療所が設けられた。

と言っても診療日は月2回、診療時間は2時間程度と言い、内科だけである。

これは「みどりの風が吹く過疎のまち」、人口8000人ほどの智頭町にある智頭病院による支援事業らしい。

 


 

パン屋・タルマーリー

 

 那岐駅から歩いて10分ほどのところに、自家製天然酵母を売りに、カフェを併設し、地ビールもつくるパン屋さんがオープンして近頃評判になっている。

地域の天然酵母、自然栽培した原料や天然水を使い、パンを焼く石窯の燃料には地元の薪を使う。

過疎の地に有るからこそ里山の恵みを最大限に生かし、今ここでしか作れないパンとビールにこだわり挑戦を続けていると言う。

 

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すなわち「地域の天然菌×天然水×自然栽培原料」と言う三つの要素にこだわりを見せる店で、製造に使う“菌”を通して地域社会と一緒に進み、新たな地域循環を作っていこうと言う課題への取り組みだ。

2016年からはクラフトビールの出荷も始まっている。

 

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「パン屋 タルマーリー」は、閉園になって利用されていなかった那岐保育園の建物を改装しオープンした。

千葉県のいすみ市に開業した店は、パン造りの酵母を求め一時岡山県の勝山市に移転し、更にその後ビール製造のための適地を探しているとき、2015年の6月にここと出会い居を構えたと言う。

 

そんな「パン屋 タルマーリー」の店主が書いた「田舎のパン屋が見つけた 腐る経済」と言う経済本も、2013年の発売以来ロングセラーになっているらしい。

ちなみに店名の「タルマーリー」は、店主夫婦の名前(格&麻里子)を合わせた造語だそうだ。

 

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那岐山麓 山の駅

 

 那岐駅の南にある那岐山(標高1255m)は、岡山と鳥取の県境に位置する山である。

その岡山側の南麓には日本原と呼ばれる、標高200m〜400mの火山灰に覆われた台地が広がっている。

土地の多くを明治期以降は陸軍の、現在では陸上自衛隊が演習地として使っていることで知られている。

 

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那岐山麓に広がる奈義町には「那岐山麓・山の駅」が有る。

豊かな自然に恵まれた地に、アルプスの田舎家をイメージした姿で建てられた施設には、町の特産品やお土産を販売するショップやレストラン、体験や研修のための施設が有る。

また広大な敷地を利用した「山野草公園」や、暖かな木のぬくもりが感じられるコテージなども併設されている。

 

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驚くことにこの辺り太古の昔は、マングローブの生い茂った海抜ゼロメートルの海辺であったとされ、ビカリヤ(巻き貝)を中心とした動植物の化石が多数出土している。

町内にはそんな歴史を伝える「ビカリヤミュージアム」も有る。


 

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鳥取側の智頭町にある那岐駅も、神社も郵便局も駐在所も「那岐」と書くが、岡山県側ではなぜか同じ“なぎ”でも奈義町は「奈義」の字が使われる。

那岐山の山名が、伊邪那岐と伊邪那美の国造り神話に由来することから「那岐」の字が使われるようになったと言われている。

だとすると岡山側の「奈義」にはどういった謂れが有るのか、などと少し気になったりもする。

 

 

 

 



 

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