秘境 奥湯西川温泉 平家狩人村


 

 奥湯西川の「秘境 奥湯西川温泉 歴史の里 平家狩人(マタギ)村」に向かう。

「秘境 平家狩人村」の送迎車は、旅館や民宿、民家の賑やかな温泉街を抜けて行く。

 

通りはいつの間にか、生い茂る木々の中に細く伸びる、曲がりくねる急な上り坂に変わっていた。

迎えに来てくれたこの小柄な男性ドライバーは、御年80を超える現役の狩人だと言う。

平家狩人村と掛け持ちで山に入り、熊や鹿、小動物、野鳥などを年間で100程仕留めるのだそうだ。

 

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

 

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

 

やがて県道を離れ、更に細くなった道をエンジン全開で登りつめる。

すると人家もない山中に、平家落人の生活(狩人)を再現し示した施設が忽然とその姿を現す。

 

 「何とワイルドな」がいきなりの印象で、雅な印象の昨日見た「平家の里」とは真逆の趣だ。

入口の門は、切り出したままの丸太を両脇に立て、その上に同じような丸太を乗せただけである。

周囲は標高1000mを超える山間で、冬は雪深い地らしく、この辺りでも標高は800mを超えている。

 

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

 

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

 

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

 

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

 

 狩猟のテーマ小屋では、はく製がジオラマと共に幾つも飾られている。

熊や鹿、ウサギ、タヌキ、ムジナなどなどで、中にはそれらの頭蓋骨や骨、皮なども並べられている。

獲物の解体を再現する小屋は、裸電球に照らされた熊の解体される様子が展示されている。

作り物とは言え、狩人の生活振りがなんとも生々しい。

 

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

 

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

 

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

 

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

 

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

 

園内の小屋を結ぶ道も決して整備されたと言えないもので、ぬかるむのか地道にゴム板が敷いてある。

そのほかの園路も落ち葉が積もり、草が生え、地道泥道ありで、自然観丸出しだ。

 

各小屋は当時の生活のリアル感を出すための、あえての演出なのかと思える展示風景が展開する。

人手がなく、手入れが間に合わないのかと思える、朽ちかけたような粗末な小屋が幾つもある。

中には竪穴式住居もあり、それらの中がテーマに沿った展示スペースになっている。

 

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

 

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

 

秘境 平家狩人村

レンガの壁の家

中程度の精度で自動的に生成された説明

秘境 平家狩人村

 

 「平家落人の暮らし」云々と言うより、マタギの生活を伝える民族資料館的色彩が濃い施設だ。

展示物は中々に刺激的で、ディープで、その極めつけは「夫婦木観音」だ。

「未成年者はご遠慮ください」と書かれた、湯西川の山林から集められた霊木・奇木の数々だ。

 

 一通り見て回って入り口付近に戻ってきた。

件の男性が、「アレは見たか?」と言うので、「バッチリ」と返すとニヤリと笑みを見せた。

ここの一押しは、夫婦木観音と呼ぶ、あの奇木かと思ってしまう。

 

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

 

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

秘境 平家狩人村

 

 湯西川温泉の旅館・山城屋で泊った折、フロントに置かれたパンフレットが目に留まった。

アクセス地図を見ると、宿から更に車で15分ほど行ったところに有るらしい。

パンフレットを読むと、「湯西川温泉街のホテル、旅館等まで無料送迎します」と書かれていた。

 

そんな訳で早速、朝一番での迎えをフロントにお願いした。

翌日九時少し前、「秘境 平家狩人村」と大きな字がラッピングされたワゴン車が旅館の前に到着した。

それに送られ、奥湯西川にある「秘境 奥湯西川温泉 歴史の里 平家狩人(マタギ)村」を訪ねてみた。

 


 

平家落人民族資料館

 

 湯西川温泉は、今でも秘湯・秘境と言われている。

嘗ては険峻な山越え道しかなかったらしいが、ダムが出来たお陰で、道路が付け替えられ便利になった。

関東圏からも比較的近く、直行するバス便もあるようで、鉄道でもアクセスは悪くない。

 

温泉自慢の大型のホテルや観光旅館も幾つかあり、そこでは平家に伝わる囲炉裏料理が提供されている。

平家に因んだ民芸品やお菓子などのお土産なども豊富に揃っている。

近隣には、「平家の里」「平家狩人村」「落人資料館」などの施設もあって、明るくて活気ある温泉街だ。

 

平家落人民族資料館

平家落人民族資料館

平家落人民族資料館

 

平家落人民族資料館

平家落人民族資料館

平家落人民族資料館

 

湯西川温泉の町中に戻り、「平家落人民族資料館」訪ねてみる。

当地には今も平家集落64戸が有り、その内の48戸の倉や物置等には、平家所縁の品々が多く残されていた。

そんな品々を収集し展示している施設で、今から30年余り前自宅を改造して開いた資料館だ。

 

 当時の平家の栄華を感じる品々が並ぶ館内は余り広くはなく、それだけに雑然と展示がされている印象だ。

鎧や刀剣、馬具、調度品、当時の生活用品など、およそ300点が展示されていると言う。

中には平清盛が使ったとされる硯、鎌倉時代に描かれたと伝わる平治物語絵巻などもある。

 

平家落人民族資料館

平家落人民族資料館

平家落人民族資料館

 

平家落人民族資料館

平家落人民族資料館

平家落人民族資料館

 

平家落人民族資料館

平家落人民族資料館

平家落人民族資料館

 

 「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響き有 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理を表はす」

 

この地には、先人たちが辛苦を偲んで生き永らえ、密やかに今日まで連綿と引き継いだ歴史がある。

そこかしこにその息遣いが感じられ、ここは紛れのない落人の里で、哀史を秘めた平家所縁の地である。

栄枯盛衰が世の倣いとは言え、やっと掴んだ安住が、今日まで続いた喜びを、共に感じないわけにはいかない。

 



 

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