十津川温泉

 

 十津川温泉郷は、平成166月に全国で初めて「源泉かけ流し宣言」を行った。

十津川温泉、温泉地温泉、上湯温泉の三つからなり、郷内の25温泉施設が源泉かけ流しを誇っている。

 

 膣川温泉の停留所から、橋を渡って三分ほどのところには、源泉かけ流しの湯「憩いの湯」がある。

又ダム湖の畔には、無料で利用できる足湯や飲泉場が併設された、公衆浴場「庵の湯」(大人400円)も有る。

 

周辺は温泉街と言っても、食事処や土産物屋が軒を連ねる歓楽的な町並みが有るわけでもない。

バス停近くに何でも屋さんのようなスーパーが一軒だけで、後はどこにでもあるような普通の町である。

こうした至って健全な環境が評価を得て、「国民保養温泉地」の指定を受けたようだ。

 

十津川温泉

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十津川温泉

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十津川温泉

十津川温泉

十津川温泉

 

温泉街の旅館や店舗の店先には様々な「のれん」が掛けられている。

温泉の活性化策らしく、今では協賛する店舗なども徐々に増え、その数は30枚を超えると言う。

街を歩いてこれらを写メリ、数を集めるとお土産がもらえるキャンペーンも時々行っているようだ。

 

またかつて当地では、「日本一長い路線バス」を利用して来村する客を優待するキャンペーンを行っていた。

村内の宿泊施設を利用すれば、往復のバス賃をタダにするキャンペーンで有ったが、今は既に終わっている。

こうした努力の甲斐あって、ここ最近ではバス利用客も、訪問客も僅かながら増えているのだそうだ。

 

 

湖泉閣 吉乃屋

 

立ち寄り湯「庵の湯」の前の道隅に、明治22年の大水害を後世に縛める石碑が立てられていた。

元々50mほど下の川べりに有ったものだが、ダム湖の出現でこの地に移したと書かれている。

北海道への集団移住を余儀なくされた、災害だけに村民にとっては忘れてはならないもので有るようだ。

 

 十津川温泉には、観光旅館と民宿を合わせると8軒ほどの宿が有る。

温泉の歴史はさほど古くは無く、江戸は元禄年間に炭焼き人夫が源泉を発見したのが始まりと言う。

源泉は70度あり、ナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉で切り傷ややけどの効能をうたっている。

安全第一な温泉を目指すとし、定期的なレジオネラ検査も行っているらしい。

 

 今晩の宿は、二津野ダム湖のほとりに建つ「湖泉閣 吉乃屋」である。

「二津野ダム湖に手が届きそうな露天水車風呂」が自慢の、比較的安価な宿である。

バス停からは石碑を見ながら、歩いて5分ほどの所にある。

 

十津川温泉

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十津川温泉

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十津川温泉

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十津川温泉

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十津川温泉

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十津川温泉

十津川温泉

十津川温泉

 


十津川温泉で泊まった翌朝、8時を少し過ぎた頃、バス停に行ってみる。

既に待合所には数人の観光客らしき姿が有り、その中には昨日路線バスで一緒した名古屋の男性の顔も有った。

聞けばこれから「玉置神社」に行くと言う。

 

「玉置神社」と言うのは、この地の背後に聳える霊峰玉置山(1076m)に鎮座する熊野三山の奥の宮だ。

近頃では、パワースポットとし若い女性にも知られ、世界遺産にも登録されたお社である。

山上のバス停、駐車場からは徒歩15分程だそうだ。

そういえば、昨日一緒だった「ホテル昴」に泊まると言っていた、横浜の女性も今日の予定はここらしい。

 


 

十津川村の村営バス

 

十津川村は南北・東西共にその幅が30Kmを越える広大な面積を有する村である。

国道168号が貫通しているとは言え、鉄道や高速道路は通ってはいない。

そのためひとたび災害が発生すると、唯一の国道が寸断され、村が孤立する危険をはらんでいる。

 

そんな危惧もあってか、かつて五條市から新宮市を結ぶ鉄道「五新線」が計画された事も有った。

戦前には建設に着手されたが、戦後になり国鉄の再建計画の煽りを食って計画は中途のまま頓挫している。

その為、現在に至っても国道168号線が、唯一の幹線道とし位置づけられている。

 

十津川温泉

十津川温泉

十津川温泉

 

十津川温泉

建十津川温泉

十津川温泉

 

過疎化の進んだ村の人口は、ここ30年ほどの間に半減したと言う。

更にマイカーが普及し、バス利用者が減少したとは言え、村には車を持たない高齢者も多いらしい。

それらの足はもっぱら路線バスに頼ることになるが、左程便利が良いとは言えないのが実情だ。

奈良交通や熊野交通のバスが、橋本や新宮と当地を結んで走っているが、決して本数が多い訳ではない。

その対策として、ここでは早くから村営バスが運営されている。

 

この日泊まった宿の従業員は、「バスは殆ど乗らない、新宮へ行くのも、橋本にも車で行く」と言っていた。

最近では秘境感を求めて、多くの観光客も訪れているようだが、バスの利用は極めて例外的なようだ。

多くはマイカーでの来訪だと言から、村営バスは村を訪れる観光客を意識したものではない。

幹線を走るバスの補完的で、どの支線も生活路線的な色彩が強く、朝夕の往復に日中便が加わる程度である。

 

十津川温泉

十津川温泉

十津川温泉

 

十津川温泉

十津川温泉

十津川温泉

 

十津川温泉の近隣には、世界遺産「熊野本宮大社や湯の峰温泉」や、「小辺路」等の見所も点在している。

地域内にも「玉置神社」や「昴の郷」など、観光の出来る場所も多く、これらはバスで訪ねる事になる。

 

奈良交通の「日本一の路線バス」の初便は、八木発が915分、次が1145分、最終は1345分で有る。

それらがこの地に到着するのは、1339分着と、昨日利用した1614分着、最終は1814分となっている。

このことから、二日間有効パスを持っていても、残念ながら当地発の午前中の便はなく、使うことが出来ないのだ。

幹線バスとは言え、決して利便性が良いわけではなく、従ってこの間は村営バスを有効に活用することになる。

 

奈良交通の二日間パスを使う場合、十津川温泉で午前中をどう過ごすかを考えておかなければ成らない。

そこで最初の便が到着するのが午後1時半頃であるから、それまでに戻る事を前提に計画を立てる必要がある。

近隣に向かう村営バスは、この時間帯にはそこそこの本数が設定されているので、これを利用するのが良い。

 

十津川温泉

十津川温泉

十津川温泉

 

十津川温泉

十津川温泉

十津川温泉

 

「玉置神社」に行く場合、ホテル昴前始発で、十津川温泉8時40分発の村営バスを利用することになる。

バスは前日迄の完全予約制で、一人でも希望者が有れば大丈夫だが、冬場は道路凍結などで運休もあるようだ。

これなら現地に100分ほど滞在し、お昼前にはここに戻ってこられる。

 

又、「昴の郷」なら歩いても2キロ余り、30分ほどの距離らしい。

ここにはホテルが有り、温泉の立ち寄り湯や、人力ロープウェイの「野猿(やえん)」の体験もできる。

そこからは天空の里と言われる果無(はてなし)集落近くまで行くことも出来そうだ。

歩けば1時間ほどだそうだが、集落へは村営バスの果無線も出ていて、これも昼頃までには戻ってこられる。

 



 

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