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成田の空港で 

 

 千葉から途中の佐倉までは総武本線で、正式にはここから先、成田を経由して銚子の手前松岸までが成田線である。成田から成田空港へは、普通列車の他に、横須賀や久里浜始発の快速列車が凡そ1時間に1本、大船などが始発の特急列車は凡そ30分間隔で、東京方面から千葉を経由して直通している。

 

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 成田と成田空港間は成田線の支線で10.3キロ、京成電鉄に後れを取っていたJRが、空港開設から14年を経て開通した路線である。有名な成田山新勝寺など、暫くは成田山の門前町として発展した市街地を見ながら走り、本線と別れると、かつて新幹線が計画された折造られた高架橋を行く。

 

 沿線は、空港に向かう高速道路や大きなホテル、航空会社の施設などが立ち並び、国際空港が近いことを実感させる。やがて地下に潜ると空港第2ビル駅、そこから3分ほどで終点の成田空港に到着する。

さすがに国際空港の玄関口、大きなトランクを押し、出口に向かう旅行客の姿が多い。

 

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 改札を出るとチョッとしたゲートが有り、係員から身分証明者の提示を求められる。

駅の改札を出ると、空港施設の敷地内と言う事で、誰もがセキュリティチェックを受ける事に成っていて、首都空港として過激派の立ち入りを抑制し、テロに対する警備の強化が目的と言う。

 

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成田山新勝寺

 

年間一千万人とも言われる参詣客を集める、成田山新勝寺に向かってみる。

このお寺の開基は平安時代にさかのぼり、江戸時代に成って庶民の間に広まった成田詣でで信仰を集めて来た。

 

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門前町の参道の両側には老舗のお菓子屋さん、佃煮屋さん、漬けもの屋さんが軒を連ね、中でも老舗を名乗るうなぎ屋さんが多く、その数は60にも上ると言う。その間隙を縫うように色々な屋台も立っている。

 

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 この地にうなぎ屋さんが多いのは、成田詣でのお客さんで賑わう参道の旅館が、お客さんの疲れを癒すために栄養価の高いうなぎ料理でもてなした事に始まるそうだ。今では、国際空港や首都圏から近いことも有り、外人観光客も多く、それを当て込んで多国籍料理を扱う店などが増えているそうだ。

 

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表参道の終点近くに建つ三階建ての建物は市の文化財にも指定されている当時の面影を残す旅館で、今は料理屋さんとして使われている。

 

 沿道のお店に出入りする人、店先のパフォーマンスに見とれる人、屋台を覗きこむ人だかり、これから新勝寺に向かう人、帰る人で、参道はスムーズに歩くこともままならない程の込みようである。

 特に食事時と有って、何処のお店の前にも大行列が出来ている。

 

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 人ごみに押されるように、新勝寺の総門に着いた。まだ出来て間の無い総欅造りの門が成田山の表玄関である。

人の流れに乗り大本堂にお参りし、ユックリと見る間も無いまま、境内から参道に押し返され、その流れのままに駅に戻った。こうして多くの人々を集める成田詣での信仰は、江戸の昔も今も変わらない。

 

 

小江戸・水郷の町佐原

 

 佐原はかつて、利根川水運の中継基地として栄えた往時の面影を残す町並みが、「江戸」の情緒を残すとして人気の町だ。駅を出てすぐのところに観光案内所があり、ここで自転車を借りることも出来るが、さほど広くは無い街と言うので、120円の観光マップを購入して徒歩で巡ってみる。

 

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 駅から延びる道を10分ほど進むと、突き当たりの公園に伊能忠敬の銅像が建っている。

この地は、日本地図を初めて作成した、忠敬が17歳から以後30年ほどを過ごした縁の町でもある。

 そこから10分ほど歩くと古い造り酒屋が有り、酒蔵を開放し、店先で酒まんじゅうを売っている。

アツアツのふかし立てを頬張ると、ほのかに酒の香りが口の中に広がり事の他美味しい。

 

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 古い土蔵造りの商店の中に“すずめ焼き”の看板を掲げた店がある。

京都の伏見稲荷の門前で売られている焼き鳥のスズメを思い浮かべていたら違っていた。

 小鮒、モロコ、タナゴなどこの近辺で採れる川魚を串で刺し、焼いて甘辛いタレを付けたもので、その形が小枝にとまったスズメを連想させる事に由来すると言う。

 

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 その前にある建物が、佐原三菱館である。

ルネサンス様式のレンガ造りの建物で、屋上にドームを配した明治の面影を色濃く伝える旧三菱銀行の建物と言う。

和風の土蔵造りの商家の中に有っては異彩を放っていて、町並みのシンボルと成っている。

 

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 その先の八坂神社の境内に水郷佐原山車会館がある。

ここには、重要無形民俗文化財に指定されている「佐原の大祭」で引き回される山車が常設展示されていて、「江戸」を強く意識して、常に江戸に勝る文化の醸成を目指した佐原の人びとの心意気を今に伝えている。

 

 

伊能忠敬のふるさと

 

 佐原の街を貫くメインストリートと忠敬橋で交わるように流れる小野川の両岸には、江戸から昭和にかけて造られた土蔵やレンガ、板張りの古い商家が立ち並んでいる。

 安政2年に造られた中村屋商店の建物などを見ながら、川に沿って柳の植わった石畳の道を行くと、その先に伊能忠敬記念館が有る。

 

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49歳で隠居した忠敬は、50歳を過ぎ江戸に出て天文学等を学び、その集大成として55歳に成って、東北から北海道南部の測量を手始めにして日本全国を測量して歩き、その旅ごとにその地方の地図を作り続けた。

そんな彼の生きざまは、劇作家・井上ひさしの長編歴史小説「四千万歩の男」でも窺い知ることが出来る。

 

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その作業は71歳まで続けられ、江戸八丁堀において73歳で亡くなったのち、弟子たちの協力を得て、死後三年目にして初めての実測日本地図を作り上げた。その地図は、現在のものと比べても何ら遜色のないほど精巧で、学問的な価値に留まらず、芸術的な美しささえ感じる程だ。

 

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記念館に有る測量旅の測量日誌や測量器具を初め、作成された地図など膨大な関係資料は、何と2345点にも及び、それらは近年、重要文化財から国宝に格上げ指定されている。 

川を隔てた反対側には、国の史跡に指定されている伊能忠敬の旧宅も有る。

17歳で伊能家の婿養子となり、名主を務めるなど、譲酒業や米穀薪炭を商い暮らした家である。

 

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銚子電鉄と犬吠埼

 

 総武線の終着駅銚子は、漁業と醤油の生産で知られた町。

その醤油の輸送や、漁業関係者を港まで運ぶ手段として作られたのが銚子電鉄。

銚子から犬吠埼の外川までの6.4キロをおよそ20分で結んでいる。

 昭和が香るレトロな車両も懐かしい小さな、小さなローカル私鉄で有る。

 

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 何かと話題の多い鉄道で、前社長の横領が発覚したり、経営危機を副業の「ぬれ煎餅」の販売収益で脱したり、などは有名な話である。銚子が舞台の、NHKの連続テレビ小説「澪つくし」などでも取り上げられ有名になった。

 

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 犬吠駅からは、犬吠埼に向かう遊歩道が海岸沿いに整備されている。

太平洋の荒波が打ち寄せる海岸には、珍しい白亜紀の浅海堆積物を見る事が出来る。

 海底面に出来る小さな波模様や、地層に出来た斜めの模様、生物が活動した痕跡などを表す地層など身近に観察する事が出来る。

 

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 犬吠埼の高台に建つ灯台は、「世界の灯台100選」「日本の灯台50選」にも選ばれた保存灯台で、その高さは地上から31メートル、水面から灯火までの高さは50メートルを超えへ、その光は36キロ先まで届くと言う。

明治7年に初めて国産レンガを使って建造され、レンガ造りの構造物としては日本でも有数の高さを誇っている。

 

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 灯台は一般公開されていて、上まで上がる事が出来る。

九十九里浜に因んでイギリス人技師が設計したと言う、99段の螺旋階段を上がると展望台があり、360度太平洋を一望する。 灯台には資料館も併設されていて、初代のレンズなど貴重な資料を見ることもできる。

 



 

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