下部温泉郷へ

 

夕方、お迎えのワゴン車が待つ、下部温泉駅に到着した。

ここ下部温泉は、「武田信玄 隠しの湯」として知られる、ひっそりと佇む「下部温泉」の玄関駅である。

その昔、信玄が川中島の戦いに於いて、その宿敵上杉謙信から受けた肩の刀傷を癒しに訪れたと伝えられている。

身延山久遠寺に近いことも有り、参拝後の立ち寄りも多く、すでに江戸時代には湯治場として栄えていた。

 

下部温泉

下部温泉

下部温泉

 

下部温泉

下部温泉

下部温泉

 

下部温泉

下部温泉

下部温泉

 

温泉街は駅からは離れていて、富士川の支流、下部川に沿った県道を2キロほど遡ったところに有る。

下部川に架かる神泉橋を中心に、大小のホテルや旅館などが30軒ほど軒を連ねている。

歓楽的な要素の少ない、湯治場的風情をそのまま残したような温泉街は、国民保養温泉地の指定を受けている。

飲んで良し、浸かって良しの源泉は、名湯100選にも選ばれるなど、効能は折り紙付きだ。

 

 

混浴の隠し湯 古湯坊源泉館

 

今晩の宿、「古湯坊源泉館」は神泉橋を渡り、僅かばかりの坂道を登った先に有る。

1300年前から自然湧出する源泉を有し、信玄公が発した「土地浴場免許状」が残る宿である。

この信玄公も刀傷を当館の湯で、治したとの言い伝えも残されている。

 

各部屋には、甲斐国所縁の武将の名前が付けられていて、「馬場美濃守」と書かれた部屋に落ち着いた。

この宿の自慢は、何と言っても「隠し湯大岩風呂」と言う、混浴の足元湧出低温源泉風呂だ。

毎分200400リットルも湧出する、全ての成分がバランス良く入る天然かけ流しの100%温泉である。

 

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

 

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

 

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

 

温泉は別館に有り、古びた玄関を入るとチョッとしたロビーが有る。

この別館は、湯治や病気療養など、長期滞在者向けの宿泊施設でもある。

混浴なので女性客を意識して、ガーゼ生地のバスタオルを有料で貸し出してくれる。(買い取りも可)

 

浴室の右側、少し高いところに、岩で囲まれた2畳ほどの上がり湯(高温湯)が有る。

そして左手の一段と低い半地下のような、畳15畳分程の岩造りの浴槽は、岩の間から自噴する冷泉である。

深い所は2m程も有り、元々立ち湯であったが、手前の深い所には、腰の深さにあわせ板床が敷いてある。

温度は長期湯治に良いとされる30度前後だから、夏場なら丁度良が、春先のこの時期では冷たく感じてしまう。

 

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

 

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

 

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

 

普通の温泉の浴槽のように、湯船から湯気は全く立っていない。

石の階段を何段か降り、恐る恐る片足を湯船に浸けてみるが、冷たくて、思わず足を引き上げる程だ。

それでも気を取り直し、ユックリ片足を浸け、さらにもう一方の足も浸け、そろそろと腰を屈めてみる。

動くとたちまち体温を奪われるように寒さが襲ってくるから、身体を縮めて、ただじっと静かに浸かる。

 

それでも2〜3分も入っていると、感覚が鈍くなったのか、その冷たさを感じなくなってくる。

そうしたら、上の上がり湯で身体を温め、再び冷泉に、深呼吸をしながら今度は少し長めに浸かる。

そんな事を二三度繰り返していると、不思議なもので、冷泉が冷たいと感じなくなる。

 

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

 

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

 

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

古湯坊源泉館

 

こうした冷温交互浴で、交感神経と副交感神経を刺激することで、湯冷めはしないのだと言う。

湯上がりのシャワーは厳禁で、こうすれば冷泉にも関わらず、普通の温泉のような心地良さが感じられるのだ。

 

 この宿は、一般宿泊は「本館」(7室)で、湯治・療養向けには「別館・神泉」(17室)が用意されている。

本館には、24時間入浴可能な男女別内湯(高温湯)も用意されている。

ここは、料理自慢というよりは、源泉自慢・温泉自慢の宿である。

 

 

甲斐黄金村

 

宿から駅に向かう途中、温泉郷の入口に「甲斐黄金村 湯之奥金山博物館」が有る。

中世、戦国時代に栄えたこの地の金山は、古くから「信玄の隠し金山」として地元には伝えられていた。

そんな戦国期の鉱山作業をテーマとした展示で、見るだけでは無く、体験も出来る博物館がコンセプトだ。

 

「ふるさと創生事業」の一環として、当地で学術調査行われ、その過程で様々なものが出土した。

そうした道具や遺構などを元に復元し、当時の様子が窺い知れるように再現展示されている。

ここでは、砂金採り体験が有料(観覧と共通で1,000円)で楽しめる。

 

甲斐黄金村 湯の奥金山博物館

甲斐黄金村 湯の奥金山博物館

甲斐黄金村 湯の奥金山博物館

 

甲斐黄金村 湯の奥金山博物館

甲斐黄金村 湯の奥金山博物館

甲斐黄金村 湯の奥金山博物館

 

甲斐黄金村 湯の奥金山博物館

甲斐黄金村 湯の奥金山博物館

甲斐黄金村 湯の奥金山博物館

 

甲斐黄金村 湯の奥金山博物館

甲斐黄金村 湯の奥金山博物館

甲斐黄金村 湯の奥金山博物館

 

甲斐黄金村 湯の奥金山博物館

甲斐黄金村 湯の奥金山博物館

甲斐黄金村 湯の奥金山博物館

 

大きな水槽には、砂金の含まれた砂と水が張ってあり、その砂をバンニング皿と呼ばれる専用の器で掬う。

その器を水中でユックリと回しながら、砂を浮かすように捨てると、最後に比重の重い金だけが器の底に残る。

 

実際にやって見ると回し加減が微妙で、制限時間30分では急かさるようで思った以上に難しい。

回し方により、砂がなかなか浮きあがって流れ出てはくれないから、何時まで経っても器の中は砂ばかりだ。

かと言って勢いよく回してしまうと、あっと言う間に流れ出てしまい、金も共に流れ落ち何も残らない。

 

過去には100粒以上も採った剛の者がいたそうだが、精々は一つ二つの小さな砂金が残っている事も有る程度だ。

採れた砂金は、その場でアクセサリーなどに加工(有料)するか、ガラス瓶に移し持ち帰る。

 



 

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