奥飛騨温泉郷
中部山岳国立公園の一翼、奥飛騨温泉郷は、平湯、新穂高、中尾、蒲田等の源泉エリアで構成されている。
その一つ平湯温泉は乗鞍岳の麓にあり、長野県境に近い岐阜県側の標高1,250mの高所にある。
ここ平湯は、高山市街地や奥飛騨温泉郷に通じる、国道158号線や471号線の結節点である。
又中部縦貫自動車道により上高地方面にも繋がり、乗鞍等近隣の観光地とも結ぶ重要な交通拠点である。
その為、広大な敷地のバスターミナルが設けられている。
ここからは、それらを結ぶ路線バスのほか、松本や新宿方面への特急・快速バスが発着している。
そのバスターミナルには、三階建の大きな建物、「アルプス街道平湯」が併設されている。
1階には、ショッピングセンター「アルプラザ」、食事処「アルプスホルン」や、休憩所、足湯がある。
3階にはギリシャ神話をイメージして作られた露天風呂「スカイガーデン」もある。
この浴室からは北アルプスが一望で、バスの待ち時間の「ちょっと一風呂」には格好のロケーションにある。
又、ターミナルから程近いところに、「ひらゆの森」と言う複合温泉宿泊施設が有る。
玄関前の駐車場隅には、シンボルの「森の灯台」が立ち、その根元には足湯が設けられている。
エントランス棟は、築300年以上の合掌造りを模した古民家を移築したもので、風情ある佇まいを見せている。
玄関を入ると、黒光りする太い柱が立つ、広い畳敷きのエントランスロビーで、その傍らに受付カウンターがある。
落ち着いた雰囲気の畳敷きの館内には、食事処、お休み処、お土産屋さん等が有る。
館内には、乗鞍岳などを熱源とする濁り湯の源泉があり、多彩な日帰り入浴がワンコインで楽しめる。
内湯は勿論、露天風呂など男湯7、女湯9の男女合わせて16もの浴槽に、惜しげもなくかけ流されている。
大きな石で組まれた各々の湯船には、微妙に温度やにごり方の違う湯が満たされている。
庭園のような広大な露天で、好みの温泉を探しながら、湯船を巡るのも楽しい物だ。
「ゆ」が目印の中尾温泉
県道475号線の蒲田トンネルを抜け、蒲田川に架かる小さな橋を超えると中尾高原口のバス停がある。
その直ぐ前には、「ゆ」と書かれた大きな暖簾の掛る看板が建っていて、これが中尾温泉の目印である。
回りを錫杖岳、笠ヶ岳、焼岳等、北アルプスの3,000m級の山々に囲まれた小さな中尾高原に開けた温泉地だ。
源泉エリアには歓楽街はなく、旅館・民宿・ペンション等25軒が、温泉の泉質を誇って静に立地している。
その入口付近、県道に沿って流れる蒲田川に架かる橋を渡ると、新穂高温泉の秘湯「新穂高の湯」が有る。
河原にある巨大な川石で造られた開放感溢れる混浴の露天風呂で、やや温めの単純泉が川底から自噴している。
野趣満点の露天風呂では、天気が良ければ槍ヶ岳を望みながら入浴を楽しむことが出来る。
この露天風呂のすぐ上には橋が架かっているので、湯船は橋の上からは丸見え、入るにはかなり勇気がいる。
流石に今は寒くて入れないが、夏には結構な人が利用するらしく、マナーの悪さを心配する声も有るようだ。
広い湯船で泳ぎ、中には浮輪や遊具を持ち込み、水着を着用して温泉プールのように利用する家族連れも有るらしい。
中尾温泉の標高1,100mの高台に造られた公園には、「足洗いの湯」と呼ばれる足湯も設けられている。
ここからは笠が岳や錫杖岳、焼岳など北アルプスの山々を360度望みながら足湯を楽しむことが出来る。
温泉では冬の最大のイベント「中尾かまくら祭り」が、毎年2月初旬に開催されると言う。
豊富な雪で、沢山の大きな「かまくら」を造り、その中で色々なグルメやお酒を楽しむことが出来るのだそうだ。
その名残の雪が溶けかけた塊となって、少し汚れた姿を曝しながら残っていた。
中尾温泉は、地区内各所に源泉が有り豊富な湯量を誇っている。
従ってどの館のお湯も、循環や塩素消毒は行わず掛け流しで、ほんものの温泉が楽しめるというのが売りである。
地区内では、タンクからお湯が溢れる光景も見られ、周囲にはほのかに硫黄の匂いが漂っている。
北アルプスの遠景と白樺の高原風景と共に、いかにも高地の温泉地らしい落ち着いた佇まいを見せている。
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