誘われて

写真と文でつづる旅の思い出

 

 

風と雲に誘われてはれのくにおかやま国内の旅行四国八十八カ所 歩き旅東海道五十三次・歩き旅海外の旅ばすの助手席

 

 

 

 

伝統こけしのふるさとを訪ねて

 

 

■ ■ みちのくの湯治場に息づく伝統美 ■ ■

 

伝統こけし

江戸時代は文化文政の頃、東北地方の各地には、湯治の習慣が定着した。

一年間の労働で疲れた身心をいやすため、鍋や釜、時には食料までも背負って近くの温泉に出かける。

それに目を付けた近在に住む木地師たちは、近くの山々にある豊富な木材を利用して木地玩具をつくり始めた。

お土産として湯治客相手に売り捌くためだ。

伝統こけし

こうして東北の各地で作り続けられたのが“木地玩具・こけし”である。

やがてその形や模様などは、その地に住む木地師の間で師弟相伝の形で伝えられて行く。

その特徴と共に、主にその地域内で引き継がれて来たのだ。

伝統こけし

大正の頃に成って「こけし」 は、大人の趣味、鑑賞の対象となった。

また「こけし」に素朴な美を見出した一部の人たちの蒐集の対象として、もてはやされるようになっていく。

一方戦後多くの観光地などでは、お土産品としての「こけし」が大量に出回り始めるようになる。

すると、それらと区別するために東北各地で作られるものは「伝統こけし」と称するようになった。

そして昭和40年代爆発的なブームを巻き起こすも、その人気は長続きせず、いつしか沈静化し、熱は冷めてしまった。

伝統こけし

しかし今日首都圏などでは静かに、ブームになっているらしい。

それを支えるのが聞きなれない「こけ女」と呼ばれる若い女性たちだと言う。

デザイン性に着目し、美しさ、可愛らしさ、面白さを味わおうと、その切り口が新鮮で、そこに共感を覚えるらしい。

素朴で飾らない造形に心を癒し、その愛らしい表情に慰められる。

そんな魅力を感じてのことではなかろうか。

伝統こけし

 

 

■写真・旅行記はこちら

 

津軽系のこけし

 

 

【津軽系のこけし】

 

その歴史は新しく 大正初期に住み着いた木地師により・・

 

 

作り付けで 轆轤で削られた頭は 丸か面長で 多くはおかっぱだ

ボタンやだるま 土地柄ねぷた模様やアイヌ模様が描かれることも

南部系のこけし

 

 

【南部系こけし】

 

 

「キナキナ」と呼ばれる 子供用のおしゃぶりが・・

 

 

描彩のない 桜材などの素材の美しさを強調したもの

頭がクラクラと動く 緩いはめ込みのものが

土湯系のこけし

 

 

【土湯系のこけし】

 

 

規則的な縞模様が崩れ 水紋のような独特な線が・・

 

比較的頭が小さく 円柱形の細めの胴は上部と下部で少し絞られ

胴の模様は、ロクロで引く線の組合せが基本で 色の組合せの美しさを

蔵王系のこけし

 

 

【蔵王高湯系のこけし】

 

 

温泉街高湯通りには 「こけしの宿」として知られる・・

 

 

頭と胴は それぞれ別に削り出し 「ホゾ」で繫ぐ

模様はキク サクラ ボタンが中心だが 山形らしくベニバナも

蔵王系のこけし

 

 

【山形系のこけし】

 

 

かつては多くの工人が活躍した時期も有ったが・・

 

観光パンフレットによれば 活動する工人は三名

こけしより 「笹野一刀彫り」が知られる土地柄である

作並系こけし

 

 

【作並系のこけし】

 

 

最初に訪れたのは かれこれ40年も前のこと・・

 

頭に比べ胴は やや細い直胴で 下部は少し細くなっている

頭頂は水引と言われる赤い模様が 胴の上下にロクロ線

蔵王系のこけし

 

 

【蔵王系のこけし】

 

 

芭蕉ゆかりの霊場 山寺の門前町に店を構える・・

 

 

線香花火のよう と例えられる重ね菊の胴模様

黒いおかっぱ頭 一重まぶたのやや垂れ気味の眼が愛らしい

山形系のこけし

 

 

【山形系のこけし】

 

 

雪の積もる北山形で、町中に工人宅を訪ね・・

 

 

いくらかは残っているから、「見て行くかい?」と

「あとを継ぐ者もいなくってなぁ・・ 好きなだけ持って行けや・・」

木地山系こけし

 

 

【木地山系のこけし】

 

 

泥湯近くの木地山地区には 昔から木地師が・・

 

 

頭と胴が繋がった一体型が特徴で最も素朴と言われている

井桁や縞模様の着物 梅や花柄の前掛け姿が

鳴子系こけし

 

 

【鳴子系のこけし】

 

 

銀山温泉で働く母が買ってくれた一本のこけし・・

 

 

黒々と塗られたおかっぱ頭 バッチリと見開いた眼

NHK朝の連続テレビ小説「おしん」で有名に

鳴子系こけし

 

 

【鳴子系のこけし】

 

 

下駄を鳴らし町歩き 温泉とこけしの天国・・

 

 

はめ込み式の頭を回すと キイキイと音がする

胴は中央がややくびれているが どっしりと安定感がある

肘折系こけし

 

 

【肘折系のこけし】

 

山深い秘境の温泉 町を見下ろす丘の上の工房で・・

 

 

山岳信仰の月山の登山者 温泉の湯治客のお土産に

くり抜かれた頭部には小豆が入れられ 振るとカラカラと音が

中ノ沢系こけし

 

 

【土湯中ノ沢系のこけし】

 

 

跡取りも居ないので 店番しながらぼちぼち・・

 

 

ロクロの回転を利用して、頭を嵌め込む作業は緊張技

店番で中断して ダメにしてしまうことも・・・

弥治郎系こけし

 

 

【弥治郎系のこけし】

 

 

雪深くなる晩秋から翌春まで ロクロを引く・・

 

 

大きな頭は差し込み式で 頭頂はベレー帽を被ったよう

胴模様は様々で、黄色地が多用されるのが大きな特徴だ 

遠刈田系

 

 

【遠刈田系こけし】

 

 

「遠刈田新地七軒」は 伝統こけし発祥の根源地と・・

 

 

大きな頭は差し込み式で 赤い放射状の模様が

胴はやや細い直胴で 模様は重ね菊が多く

 

■このページの先頭

 



 

|  ホーム  |  はれのくに  |  国内の旅行  |  遍路歩き旅  |  東海道歩き旅  | 海外の旅行 |  マイブログ 

 

 

(c)2010 Sudare-M, All Rights Reserved.

 

inserted by FC2 system